LGBTやで最近話題になっているのがLGBT Qの就職活動の問題です。
性別のことが就職において不利であると捉えられており、自分らしく就職ができないと悩んでいる人が多いのです。
ただ、私鈴木優希はさほど不利であるとは感じていません。
では何が就職に不利とされているのでしょうか。
目次
あなたが就活で性別を気にするのはなぜ?
LGBTやトランスジェンダーの人の就活で多くは自分の性別を気にしていると言われています。
ではその性別を気にしている人は一体何を気にしているのでしょうか。
考えられることは大きく2つございます。
- 性別のことでハラスメントを受ける不安
- 性別が問題で採用されない不安
1に関してはゲイやレズといった性的趣向やトランスジェンダーの見た目をからかうようなことをされるという、SOGIハラという特有のものがございます。
ハラスメントの問題はパワハラやセクハラのように、そういったことがない世の中であるべきというのが当たり前ですが、実際はそうもいきません。
ハラスメントがない職場を探すというのはとても難しく、教育がなされている大企業であっても、応募や面接の段階でそれを100%見抜くと言うのはできないと言ってもいいでしょう。
ちなみにLGBTQだけに関しては理解があると公言している企業はPRIDE指標というものでわかるようにはなっています。(外部リンク)
2の性別が採用されない不安は誰しもはLGBT特有と言えます。
自分の心の性別で面接を受けるべきか、偽って面接を受けるべきか。
普通であればそれを考えることはほぼありません。
この記事ではこの性別が問題で採用されないという点において深く考えてみたいと思います。
自分の心のままの性別で就活をしたいというのが本音
LGBTやトランスジェンダーと言ってもさまざまな状況の方がいます。
・心が別性だが見た目は変えていない方
・心は別性で見た目も変えている(男装・女装含む)
・心も別姓で性転換、戸籍も変えている
など、様々な状況ですが、ほとんどの方は自分の心の性別に正直に就職活動をしたいというものです。
この「就活で性別を気にする」というのはLGBT特有の悩みかもしれません。
これは持論になってしまいますが、LGBTの人ほど性別にこだわるので、自分の心の性別でないとできない仕事に憧れを抱いている割合が多い気がします。
ドラマや子供の頃に見たカワイイ制服やたくましく働く男の姿に憧れて、自分の性別に違和感を覚えるきっかけの一つであるからです。
LGBとTでは就活における問題点が違う
よく、ハラスメントとして「ゲイであることをからかわれた」「レズであることを気持ち悪がられた」なんてことを聞きます。
私はLGB(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル)だけの人は性的指向であって、どういう人が好みかという問題に過ぎません。
ちょっと待ってください。
あなたは会社に何をしに行っているのですか?
あなたは会社に恋愛をしに行っているのですか?
自分の性的指向がどう、とかわざわざいう必要がないのです。
これはトランスジェンダーの就活問題とはまた違った問題と私は考えます。
性転換も戸籍も変えたトランスジェンダーって「元〇〇」っていうべきなのか
見た目だけ戸籍も変えて国に認められたのであれば、わざわざ「トランスジェンダー女性です」「元女性の男性です」って前置きをしなくちゃいけいないの?
普通の女性のように女性ってだけ言っちゃダメなの?普通の男性のように男性ってだけ言っちゃダメなの?
私の場合は職業オナベとして生活をしているのでそれを明らかにすることは抵抗がありませんが、一般的な職についているトランスジェンダーのお客様からはこの悩みは多く聞きます。
では就活においては堂々と性別を言うか、元〇〇と補足しておくべきかどちらでしょうか。
これは正解はありません。
就きたい職種と自身の気持ちによって考えた方がいいと思います。
例えば性別を意識する職種であれば言っておいた方が後々のトラブル回避になるかもしれません。
そうでなくても自身が気になって精神的に苦しいのであれば言っておいたほうが楽でしょう。
だからこれについては正解がないとしか言えないのです。
就職活動において、性別が影響する
まず、トランスジェンダーのお話の前に一般的に性別は雇用とどう関わっているか考えてみましょう。
男女雇用均等法により男女の採用や待遇に差別をしないというのが一般的になっています。
しかしながら、世の中では男女という性別を意識して雇用をしているものがあるのは事実です。
その理由は大きく3種類あり「その性別でないとしにくい職種」「社内の都合として性別を選びたい」「法的にその性別しかなれない」が考えられれます。
その性別でないとしにくい職種
女性しかなりにくい職種の一例
・エステティシャン
・化粧品販売
・女性用下着販売
・産科や婦人科の看護師
多くの場合がお客が女性であり、女性の身体に触る、女性向け製品の販売員であるなど、スタッフも女性であった方が良いと思われています。
男性にしかなりにくい職種の一例
・工事現場や建築現場
・警備員
・漁師
力や体力を必要とするため、男性である方が良いとされる職業です。
社内の都合として性別を選びたい
・女性しか採用したことなく、男性の制服や更衣室がない
・男性しか社員がいなく、女性を一人だけ採用することを申し訳なく思う
・社内の教育方法がどちらかの性別に向けたものしかない
こう言った場合には企業は新たに取り入れなければいけないものも多く、手間と負担がかかるので企業は消極的になります。
制服であればサイズをやデザインを増やしたり、更衣室を準備するなどは結構な負担です。
他にも営業職で多いのが男性だけで組織立っているものがあり、上司部下という立場が男性だけで成り立っていると社員教育がそれに併せた、言い方は悪いですが体育会系のキツいやり方しかない企業もまだあります。
法的にその性別しかなれない
・助産師は女性のみ
これはその通り、助産師は女性にしかなれません。
他にも細かい条件次第では男性にしかなれない仕事もございます。
「その性別でないとしにくい職種」にトランスジェンダーはなれないのか
「その性別でないとしにくい職種」には本当にトランスジェンダーにはできないのかというと、「難しい」または「かなりの努力が必要」です。
それは企業側の立場になって考えてもらえるといいでしょう。
例えばエステなどの女性の身体に触る仕事を、元男性のトランスジェンダー女性に施術してもらうことを世の女性は良いと思うでしょうか。
正直なところ、抵抗があるという人は一定数いるでしょう。
そうなると、そういった人材を雇用することは企業にとってはメリットが少なく感じます。
性転換や戸籍上の性別の変更をしていたとしても、それを伏せて施術をするべきか、明かして施術をするのか、どちらにしてもお客様の心象を考えなければいけないので、企業側としては対応が大変です。
むしろ男性エステティシャンであった方が、それを明らかにしてお客側から選択肢を持たせておくことができる分、楽なくらいなのです。
「心も身体も女性になって戸籍も変えて国に認められているのにおかしい!」と感じるかもしれませんが、もしかしたらクレームが起きるかもしれない、訴えられるかもしれないという心配は企業側はして当然なのです。
他にもデパートの化粧品売り場などでも女性をターゲットにしている業種であるため、実際の使用感などを共感できる女性店員がお客様にとってもメリットと企業側も考えます。
また、こういった職種はある種の広告塔も兼ねているので、メインターゲットの女性が憧れるような女性を採用します。
トランスジェンダーも当然化粧はするのでトランスジェンダー女性にも需要がある!と言われればそうですが、それを叶えたいのであれば、そこに力を入れている化粧品メーカーにアピールするか、自分で化粧品メーカーを作るくらいの気概が必要でしょう、
トランスジェンダーを取り入れていくにしても、企業としては新たな体制を作らなければいけない負担がございます。
同じ人間性、能力を持った女性とトランスジェンダー女性がいた場合に女性の方が労力がかからず楽であることは明らかです。
男性が選ばれる仕事はやはり力や体力が必要とされる現場仕事や警備員が主となってきます。
一般的には男性の方が女性より体力に優れているされており、トランスジェンダー男性とはいえ、元は女性の体力です。
現場仕事をさせる企業としては事故や怪我、過労により倒れるというようなことはリスクと捉えます。
そのため、体力的に優れる男性を雇用しておいた方がリスクがないと考えるのです。
そういったリスクを避けるためにも男性間でも、その人の体力や適正に合わせた仕事を与えますが、男女とした場合に差がで過ぎてしまうと今度は社内での不平不満が出てしまいます。
「あいつはトランスジェンダーだから軽い仕事で同じ給料なのはおかしい!」と
企業というのはそういった社内のバランスも考えて採用をしています。
元女性で男性と同じくらいの現場仕事をしたいのであれば、ちゃんとトレーニングなどで体力をつけるくらいの努力は必要でしょう。
その努力も無しに文句を言ってしまうとただのワガママになってしまいます。
じゃあ「社内の都合として性別を選びたい場合」はいける?
こう言った場合は企業側は面倒だなとい思うことがほとんどで、致命的なリスクは実はほとんど企業にはありません。
その面倒を覆すと思われるような優秀な人材であればそれを乗り越えることは難しくないと思います。
戸籍を変えたトランスジェンダー女性が助産師になれるのか
戸籍も身体も女性にし、法的に女性と認められたトランスジェンダーははたして助産師になれるのだろうか。
まず、助産師になるには看護師免許を取得しなければなりません。
看護大学や看護師学校、専門学校に3〜4年通い、看護師免許が取得できます。
その後、助産師になるために1〜2年助産師教育機関で勉強し、さらに国家試験の助産師国家試験に合格することで助産師資格が得られます。
そして助産師を募集している病院に面接を受け、採用されることで助産師となれるのです。
そのため、法律構成的にはトランスジェンダー女性でもなれるはずですが、採用するかどうかは病院次第と言ったところです。
性別は関係ない職種の方が世の中は多いから安心してほしい
ここまで読むだけだとトランスジェンダーは職につきにくいという印象を持たれてしまうかもしれませんが、そんなことは絶対にありません。
世の中の仕事の種類からすれば性別を気にせずつける職種の方が多いのです。
例えばデスクワークであれば、事務職、デザイナー、設計士、税理士、会計士、プログラマー、イラストレーター、ライターなどがございます。
販売職であればアパレル、小売店店員など、飲食店であれば、ホールスタッフ、調理師、バーテンダーなど、日常にある多くの職種は性別を気にせずできます。
あとは医療関係や介護士なども比較的性別を選びません。
こういった職業は企業側から見てもトランスジェンダーであっても問題ないと思われています。
雇用をする企業側の立場で考えると、LGBTであることは気にしている場合じゃない
就職活動において一番重要なのは何か
それは
「企業にとって良い一番良い人材」
であること。
与えられた仕事をしっかりとできるか、勝手なことをしないか、給与に対して見合った仕事をしてくれる人が最重要なのです。
その人の持っているスキルやセンス、意欲、人間性が優れ、企業にあっているかを面接官は面接の少ない時間の中で見抜いています。
そもそも面接というのはそういうことをアピールする場であり、自分の都合を企業に押し付ける場ではありません。
就活のライバルとなる人たちがそれをアピールしている中でうじうじと性別のことを気にしますか?
もしLGBTが自分にとってマイナスと考えるのであれば、それを覆すプラスを企業にいかに提示する努力をすべきなのです。
コロナウイルス以降、就職活動は買い手市場(企業が選べる立場)になってきて、売り手市場は終わりました。
ー性別のせいで面接を落とされたー
はたして本当にそれが原因だったのかもう一度考えてみてください。
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